2020年1月3日金曜日

【情報発信】「細胞間情報伝達・細胞外小胞研究会第一回国際シンポジウム(ICEV-1)」を開催

11月21、22日、本学マスカットキューブで、「細胞間情報伝達・細胞外小胞研究会第一回国際シンポジウム(ICEV-1)」が開催されました。

本シンポジウムは、近年急速にその重要性が明らかになってきている「細胞外小胞」に焦点を当て、本学の研究者が中心となって「細胞外小胞による生体内の情報伝達ネットワークの解明および医療への応用」において将来的に世界トップレベルの研究教育拠点を形成しようという趣旨のもと開催されました。

のべ100人以上が参加し、8件の講演を実施。国際台湾大学のSHEN Tang-Long(沈湯龍)教授は、糖鎖付加された膜小胞が、特定の臓器へのがん細胞転移を促進することについて講演しました。がん研究所の芝清隆部長は、口腔の細胞から分泌された細胞外小胞を密度勾配超遠心法を用いて分取し、新しい診断を開発する試みについて講演。岡山大学の江口傑徳助教は、三次元培養した腫瘍オルガノイドから分泌された細胞外小胞を分析し、発癌機構や薬剤耐性のしくみについて講演しました。

岡山大学の竹居孝二教授(膜輸送におけるダイナミンの新しい作用機序)、広島大学の吉子裕二教授(骨の溶解を防ぐマイクロRNA)、東京医科大学の小坂展慶准教授(抗癌治療における新たな標的としての細胞外小胞)、岡山大学の江國大輔准教授(唾液中のマイクロRNA測定による慢性歯周炎および膵胆管がんの診断の可能性)、徳島大学の吉田賀弥准教授(歯周病の原因菌であるP.g.への感染が高血糖や肺炎を引き起こすしくみ)についての講演もありました。口頭発表やポスター発表(14演題)もあり、大変活発なディスカッションが行われたほか、懇親会においても活発な情報交換や交流が行われました。

「次世代研究育成」の趣旨のもと、次世代を担う優れた研究を奨励する目的で、ポスター発表でのコンペティションも実施。本学大学院生のリ シュンニンさんとタハ エメン エーメドさん、本学の河合穂高助教に「若手研究者奨励賞(Young Investigator Award)」が授与されました。

岡山大学は2018年に研究課題「細胞外小胞による生体ネットワーク」を「岡山大学重点研究分野」に、2019年に「細胞外小胞による生体ネットワークの解明と医療への応用」事業を「岡山大学次世代研究育成グループ」に指定して支援しており、本シンポジウムはこれらの取り組みの一環として開催されました。

◯重点研究分野および次世代研究育成グループ
岡山大学は、平成30年度より大学を代表し本学の強みとなりうる研究分野を「重点研究分野」に選定し、重点支援を行っています。また、「重点研究分野」における大型研究プロジェクトを育成するため、ポテンシャルの高い研究グループを「次世代研究育成グループ」として発掘・強化し、プロジェクト形成を促進しています。

 【本件問い合わせ先】
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯科薬理学分野 岡元邦彰
ICEV事務局 十川千春
次世代研究育成グループ「細胞外小胞による生体ネットワークの解明と医療への応用」代表 江口傑徳
e-mail:icev.office◎gmail.com
※@を◎に置き換えています。
電話:086-235-6661 


0 件のコメント:

コメントを投稿