岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医学系)腎・免疫・内分泌代謝内科学分野の和田淳教授と同研究科(薬学系)生体物理化学研究室の井上剛准教授が10月19日、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「令和2年度難治性疾患実用化研究事業」(一次公募)に採択されました。
同事業は、「希少性」、「原因不明」、「効果的な治療方法未確立」、「生活面への長期にわたる支障」の4要件を満たす希少難治性疾患を対象として、病因・病態の解明、画期的な診断・治療・予防法の開発を推進することで、希少難治性疾患の克服を目指すものです。
和田淳教授は「糖鎖異常が関連する希少難治性疾患の克服研究分野」の枠で、「尿クレアチンアレイ解析を用いた腎疾患診断キットの開発」という研究開発課題で採択されました。本研究開発ではIgA腎症をはじめとする慢性糸球体腎炎や膠原病に伴う腎炎を尿一滴で診断する方法の開発を目指します。
井上剛准教授は「希少難治性疾患に対する画期的な医薬品の実用化に関する研究分野」の枠で、「ケトン食療法に基づくドラベ症候群の新薬開発」という研究開発課題で採択されました。本研究開発では、新規作用機序の抗てんかん薬開発に向け、エネルギー代謝を狙う稀少てんかんの新薬開発を目指します。
今回の採択を受けて、和田教授は「臨床研究分担施設や企業と連携して実用化を目指します」、井上准教授は「岡山大学発の治療薬開発が成功するよう治験開始に向けて尽力します」とコメント。最長3年間(実施期間:令和2年度~4年度)の研究活動に意欲を見せました。
わが国では、平成27年1月1日から「難病の患者に対する医療等に関する法律」が施行され、110疾病が指定難病として難病医療費助成制度の対象となり、令和元年には333疾病まで拡大されています。これらの未だ治療法の確立していない難病の克服のためには、治療法開発のための基盤技術開発研究、研究基盤確立研究、医薬品開発研究等の推進が必要であり、本学も強みある医療系研究力を最大限に活かし、難病の克服に貢献していきます。
【本件問い合わせ先】
大学院医歯薬学総合研究科(医学系)教授 和田淳
TEL:086-235-7234
大学院医歯薬学総合研究科(薬学系)准教授 井上剛
TEL:086-251-7955
0 件のコメント:
コメントを投稿