2013年9月6日金曜日

【産学官】ワークショップ2:知的財産と生命科学 -生物多様性とイノベーションを考える 開催

2013年9月6日(金)岡山大学

研究資源の確保が世界規模で激しさを増し、問題となる現代において、国際社会では一定の取り決めとなる条約の作成が進んでいます。その中で、特に生物資源に関する知的財産については、わが国が中心となって議論が進められてきました。

今回、生命科学研究において、重要なキーワードである「生物多様性」、「イノベーション」、「知的財産」の3つを核に、海外由来の動物、植物、微生物等(遺伝資源)を活用する「研究」や「製品開発」時の留意事項に焦点を当てた知的財産ワークショップを開催しました。

今回はお二人の招請講演演者をお呼びしました。国立遺伝学研究所知的財産室 ABS学術対策チームリーダーの森岡 一先生は、「遺伝資源と生物多様性条約」について、条約の概要と各企業の取組事例をご講演して頂きました。同研究所知的財産室室長の鈴木睦昭先生からは、「名古屋議定書(国内措置)の現状と今後」について、大学などの研究機関が遵守すべき制約事項などについて講演して頂きました。

また、本学の山本進一理事(研究担当)・副学長は基調講演として「生物多様性の紹介」と題して、生物多様性と、そこから派生する遺伝資源の研究利用へのあり方について話題提供を行い、産・官・学・民の約50名が熱心に聴講し、その後の対話も密なものとなりました。

生物多様性条約は、特にこの分野の研究者において研究環境の大きな変化をもたらします。今回のWSは、わが国の研究分野、産業分野の方々が留意すべき基本原則の一端を紹介させて頂きました。
また、文科省事業であるシーズ・ニーズ事業では、本学は「生命科学」と「光技術」にスポットを当てています。両分野とも生物資源に注目した技術開発であるため、今回のWSは非常に重要なものとなりました。

今後、特にABSAccess and Benefit-Sharing)の取決め事項は大きく変わることが予測されます。わが国の条約批准後にも重要な決定事項が大学にももたらされることが予想されるため、引き続き最新の知的財産情報提供の場をシーズ・ニーズの場に提供して行きたいと思います。

モデレーター役の渡邊 裕岡山大学知的財産本部長・教授
 
講演を行う鈴木睦昭先生

講演を行う森岡 一先生
 
国立大学法人岡山大学:http://www.okayama-u.ac.jp/
岡山大学研究推進産官学連携機構:http://www.okayama-u.net/renkei/
 国立遺伝学研究所:http://www.nig.ac.jp/
 
 
 

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