岡山大学は全学を挙げて研究力強化・産学共創に力を入れています。本学のオープンイノベーションの強化推進の取組のひとつとして、「岡山リビングラボ」(企画運営担当:志水武史本学大学院ヘルスシステム統合科学研究科特任准教授)の取組を実施しており、今回、第9回オープンイノベーションプログラム(O2IP)を11月20日(金)、オンラインとオフラインの併用形式で岡山リビングラボとおかやまスタートアップ支援拠点運営委員会(ももスタ)主催、岡山大学オープンイノベーション機構、株式会社ベネッセコーポレーション共催で開催しました。 オープンイノベーションプログラム(O2IP)は、地域内外の企業、自治体や大学の関係者、地域住民など多様な参加者がヘルスケア/生活関連分野のテーマについて自由に討議し、革新的なサービス・商品のアイデア等を創出することを目指したプログラムで、今回は9回目となり、(株)ベネッセコーポレーションから提示された「ヘルスリテラシーの向上につながる健康教育サービス」をテーマに開催しました。 国や自治体、そして多くのヘルスケア関連民間企業においては健康寿命延伸に資する取り組みやサービス・商品の創出に注力しています。しかし、そうした取り組みやサービス等の対象となる個々人においては、健康的な生活習慣の確立や健康増進・疾病予防に役立つサービス・商品の利活用に向けた意識付け、行動変容が起きづらい状況です。 こうした状況を改善するには、適切な健康知識を習得し、個々人のヘルスリテラシーを向上させる機会や仕組み、すなわち「健康教育」を実施することが必要です。しかし、現状において、わが国の健康教育は十分なものとはいえません。例えば、子どもに対する健康教育は多くの場合、家庭や学校に委ねられており、そこでは適切な健康教育のコンテンツがない状態で子どもの両親や学校関係者は試行錯誤で健康教育に取り組んでいます。また、大人に対する健康教育も、日本各地で行政や企業・団体が地域住民・社員を対象に、健康についての啓発活動を手作りした資料・教材等を使って実施していますが、なかなか思うように個々人のヘルスリテラシーを高めることができず、行動変容に至らないという悩みを抱えています。 地元岡山に本社を置くベネッセコーポレーションでは、以上のような健康教育の現状と課題を鑑み、地域における健康リテラシーの向上を目的とした健康教育の仕組みやコンテンツを開発・提供し始めています。2020年8月には、人生100年時代を生きる人のヘルスリテラシーを高めるための書籍「健康の教科書」を発刊しています。今回、ベネッセコーポレーションの有する健康教育サービス・商品をベースに、プログラム参加者が持つ様々なアイデアやシーズを組み合わせることで、先進的なヘルスケア/生活関連サービス・商品の創出を目指して開催されました。 会の共催企業のプレゼンターとして、(株)ベネッセコーポレーション事業戦略本部の吉田富美子プロデューサーが話題提供。地域住民のヘルスリテラシー向上に向けたベネッセコーポレーションの取り組み、ベネッセコーポレーションが有する健康教育サービス・商品の内容等について話題を提供し、その後、グループでのディスカッションを行い、事業アイデアなどが発表されました。会の企画運営担当である志水准教授は「ヘルスケア産業の振興には、地域住民の行動変容とそれを促す健康教育が不可欠。ヘルスケア×教育で面白いアイデア創出ができたのではないか」とコメント。今後、オープンイノベーションをもとに地域から産学共創などを加速させるとともに、新たなイノベーションを創出させる取り組みを活性化させていきます。
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id9806.html
0 件のコメント:
コメントを投稿