◆発表のポイント
- 空き家の増加によって地域の治安や景観の悪化、それによる魅力の低下が懸念されています。
- 昨年度は「自宅の将来について、あらかじめ考えて行動してもらうための取組」を試行し、一定の成果を得ました。
- 今年度より、産官学の連携によって専門家組織の体制を構築し“空き家の発生抑制を目的とした取組”について、本格的に実施します。「岡山・空き家を生まないプロジェクト」
- 岡山市内の特定の団地において、住宅に関する情報提供、自宅の将来について考えてもらうためのきっかけづくり、具体的な行動に移すための専門家による相談会等を実施していきます。
人口減少によって空き家が増加し、景観や治安の悪化、それに伴う地域の魅力の低下などが懸念されています。空き家の対策は、空き家の利活用などを目的とした空き家発生後の対策と、空き家自体の発生を抑制させる対策に分類できます。一般に、空き家発生後の対策に比べて、発生前の対策は遅れています。
このため、昨年度は空き家の発生抑制を目的として自宅の将来についてあらかじめ考えて行動してもらうための取組を岡山市中区の団地を対象に、岡山大学、岡山市、中電技術コンサルタント株式会社の3者で試行的に実施しました。調査の結果、この取組をきっかけとして、(アンケート回答者のうち)エンディングノートの作成・登記の確認など具体的な行動をされた方が10%、自宅の将来に関する意識が変容した方が44%などの成果が得られました。
今年度より空き家の発生抑制を目的とした産官学の専門家組織を立ち上げ、特定の地区を対象に実践していくことで、他地域への応用可能な手法を検討します「岡山・空き家を生まないプロジェクト」。構成メンバーは、建設コンサルタント、士業(弁護士、司法書士、建築士など)、デザイナー、行政、大学です。岡山市中区及び南区の団地を対象に、以下1)~3)の取組を実施します。
1) 情報提供:住宅、空き家に関するさまざまな情報を提供
2) 関係者での話し合い:自宅の将来について話し合ってもらうためのきっかけづくり
3) 専門家への相談:具体的な行動につなげるための相談会を実施
上記にあわせて、アンケート調査を実施することで、本プロジェクトにおける効果や課題を明らかにし、次年度以降の取組につなげていきます。
なお、本プロジェクトは国土交通省の「令和2年度空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」に採択されて実施しております。
◆研究者からのひとこと
将来の空き家の発生を抑制し、魅力ある地域にするために、ご自宅の将来について、早い段階から考えてみませんか?その行動は、ご自宅が空き家になることを防ぐ第一歩です。 | 氏原岳人准教授 |
<住民配布用リーフレット>
<詳しい研究内容について>
空き家の発生抑制を目指す産官学の専門家組織による実践 「岡山・空き家を生まないプロジェクト」
<お問い合わせ>
岡山大学大学院環境生命科学研究科
准教授 氏原岳人
(電話番号)086-251-8850
(FAX番号)086-251-8850
http://www.okayama-u.ac.jp/user/civil/Labs/regional/regional.html
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id798.html
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