◆発表のポイント
- 極低温や低圧で、気体と水が存在する場合に、氷とガスハイドレートのどちらが生じるのかを理論的に予測する方法を発見しました。
- その結果を用いて、水が豊富に存在している極低温の天体の表面や内部における、水の状態を明らかにしました。
- 外惑星の衛星や冥王星における、内部海の存在や地殻から大気へのガス放出についての原因解明に役立つと期待されます。
岡山大学異分野基礎科学研究所(理学部)理論化学研究室の田中秀樹教授、矢ヶ崎琢磨特任講師(現大阪大学大学院基礎工学研究科特任准教授)、松本正和准教授は、太陽系の外惑星とその衛星等に豊富にある水が、低温かつ他の天体構成物質が存在する環境下で、どのような状態であるのかを理論的に突きとめました。
本研究成果は12月17日、アメリカ天文学会の国際科学雑誌「Planetary Science Journal」オンライン版に掲載されました。
外惑星系天体の表面のみならず内部液体の水に至るまでの水の状態の解明は、これらの天体や彗星における水の存在の程度とその役割を研究するための基盤となります。
■論文情報
論
文 名:On the Occurrence of Clathrate Hydrates in Extreme Conditions:
Dissociation Pressures and Occupancies at Cryogenic Temperatures with
Application to Planetary Systems
掲 載 紙:Planetary Science Journal
著 者:Hideki Tanaka, Takuma Yagasaki and Masakazu Matsumoto
D O I:10.3847/PSJ/abc3c0
<詳しい研究内容について>
氷の衛星の表面と内部の氷の正体を理論的に特定!
<お問い合わせ>
岡山大学異分野基礎科学研究所(理学部)
理論化学研究室
教授 田中秀樹
(電話番号)086-251-7769
(URL)http://theochem.chem.okayama-u.ac.jp
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id804.html
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